【トッテナム激震】名将デゼルビの劇薬と高井幸大の未来(4)戦術の申し子へ!高井幸大、復帰で大化けの予感と降格が生む思わぬ好機の画像
トッテナムからドイツのボルシア・メンヒェングラートバッハへ期限付き移籍中の高井幸大。来シーズン復帰となると…。(20250518)撮影/原壮史(Sony α1使用)

 現在ドイツのボルシアMGへ期限付き移籍中の日本代表DF高井幸大。今夏には保有元のトッテナムへ復帰する見通しだが、実は彼こそが足元の技術を重視する「デゼルビ戦術」に最も合致する素材かもしれない。若手育成に定評のある名将のもとで、高井が大ブレイクを果たすためのシナリオとは。(文:田嶋コウスケ/英ロンドン駐在記者)

■高井幸大の特性とデゼルビ戦術の“高い親和性”

 その分岐点の中で、日本の読者にとってとりわけ気になる存在が高井幸大だろう。

 高井は2025年夏、川崎フロンターレからトッテナムに加入した。ロイターによれば契約期間は5年で、将来を見据えた獲得だったことが分かる。だが加入直後から足の問題に苦しみ、トップチームでは出場機会をつかめなかった(ただしベンチ入りは1試合)。2026年1月には、シーズン終了までドイツのボルシア・メンヒェングラートバッハへ期限付き移籍。ドイツ側の公式発表でも、契約期間は6月30日までとされている。つまり、少なくとも今季終了後に一度トッテナムへ戻る前提だ。

 ここで興味深いのは、高井という選手の特性として、むしろデゼルビ体制のほうが評価されやすい可能性があることだ。高井の長所は、単に高さがある、対人に強いというだけではない。足元の技術があり、ボールを持って前方へ運べる。縦パスを差し込む意識もある。そしてスピードも備える。

 ハイラインを敷くデゼルビ流のサッカーで、背後のスペースを走力でカバーできるセンターバックは貴重で、高井はその条件に合致する。さらに、デゼルビ式ではセンターバックがただ跳ね返すだけでは足りない。相手を引きつけ、適切なタイミングでボールを前に運び、パスで次の局面を開く役割が求められる。その意味で高井のクオリティは、単純な守備型のチームよりも、保持と前進を重視するデゼルビ式の方が噛み合いやすい。

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