男子なら大炎上も…「無風だった」解任劇、「正しかった」JFAの決断と「露呈した」関心の低さ【なでしこジャパン「アジア杯優勝直後の監督更迭」3つの大問題】(1)の画像
サッカー女子日本代表で初の外国人監督となったニルス・ニールセン監督。アジアカップで優勝するも、その直後に事実上の「更迭」となった。なぜか? 撮影/原壮史(Sony α1使用)

 順風満帆に見えた日本サッカー界に、久々の大事件が起きた。サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)を率いていたニルス・ニールセン監督の事実上の「更迭」である。男子代表であれば大騒ぎになるはずの解任劇だが、世間の反応はあまりにも静かだ。なぜアジアカップ優勝直後にクビを切られたのか? そして、この決断は男子代表の「次期監督選び」にまで影響を及ぼす恐れがあるという。サッカージャーナリスト後藤健生が、なでしこジャパン更迭劇の「深淵」と、次期監督人事の「行方」に斬り込む!

■発表から1週間も「話題にならない?」

 日本女子代表(なでしこジャパン)のニルス・ニールセン監督が契約満了により退任することが決まった。事実上の解任である(以下、「更迭」と表現する)。

 もし、これが男子代表だったら賛否両論、喧々囂々、ハチの巣をつついたような大騒ぎになっていたはずだ。

 だが、更迭が発表されてから間もなく1週間ほどが経過しようとしているものの、女子代表の監督問題が大きな話題になっているようには思えない。

 先日、オーストラリアで開催された女子アジアカップでは、日本とオーストラリアの決勝戦に8万人近い観衆が集まり、同国での女子サッカー人気の高まりを感じさせた。それに対して、アジア・ナンバーワン、世界でもランキング1ケタ台の実力を持つにもかかわらず、わが国での女子サッカーへの関心が高まっていない現実を見せつけられた。

 そして、今度は代表監督の更迭を巡っても、女子サッカーに対する関心の低さが露呈してしまったようだ。

 そもそも、ニールセン監督の下で女子代表は迷走を続けてきた。

 監督就任直後のシービリーブスカップでこそアメリカ戦も含めて3連勝で優勝したものの、その後は国内外での強豪相手の親善試合で結果を出せず、国内組で臨んだE-1選手権でも台湾(チャイニーズタイペイ)戦で勝利しただけで3位に留まってしまった。

 2025年最後のカナダ戦には勝利したものの、これはカナダ側のチーム事情で相手の戦力が整っていなかっただけだった。

 そして、先日のアジアカップでは格下相手の試合の連続で、ほとんど抵抗を受けずに決勝に進出したが、決勝戦では1対0で勝利してタイトルを奪還したものの、内容的にはオーストラリアに押しまくられた試合だった。

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