サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回のテーマは、目前に迫るワールドカップで採用される「新システム」についてだ。
よりスピーディな試合展開が求められる現代サッカーの裏側で、長年親しまれてきた“ボールボーイ”の姿がピッチから消えようとしているのをご存じだろうか。ひとつのボールをめぐる時間稼ぎの歴史から、各国の文化の違い、そしてピッチ外で起こる“場外乱闘”まで――。知ればワールドカップが100倍面白くなる、究極にマニアックなルールの裏側へご案内しよう。
■ピッチ周囲に配置される「14個」のボール
FIFAは昨年から今年にかけて行われたクラブ・ワールドカップ、男女のU-17ワールドカップ、男子U-20ワールドカップ、インターコンチネンタルカップといった大会のすべてにおいて、「ボールパーソン」が選手にボールを渡す形を廃止し、ピッチ周囲にコーン上にボールを配置する方法をとってきた。
FIFAが主催した最新の試合は、3月下旬にメキシコのグアダラハラとモンテレイで行われた「FIFAプレーオフトーナメント(通称インターコンチネンタル・プレーオフ)」の6試合だった。この試合でも、「新方式のマルチボールシステム」が使われた。ただし、ボールを置くのは、トレーニングで使うコーンではなく、直径7~8センチの低い円筒形の「台」だった。
ボールは15個用意される。1個は主審がピッチに持って入り、試合に使われる。そして残り14個がピッチ周囲に配置される。タッチライン沿いに5個ずつ、ゴールラインの背後には2個ずつ。これはペナルティーエリアのラインの延長上、すなわちゴールからは20メートル近くに置かれる。ワールドカップでもこの方式が採用される可能性が高い。























