旅の醍醐味は、その土地の歴史と文化を「舌」で味わうことにある。甘く芳醇なポルトワインがいかにしてポルトガルにサッカーの種を蒔き、名物の内臓料理「トリパ」がなぜ市民の愛国心の象徴となったのか――。世界中のスタジアムと食堂を巡る蹴球放浪家・後藤健生が、若き日の名将モウリーニョの素顔とともに、美しい港町・ポルトに息づく「食と蹴球」の密接な関係を解き明かす。
■直訳すると「内臓食い」
アルコール度数が高くて甘いポルトワイン(英語では「ポートワイン」)は食前酒または食後酒として飲むのが普通ですが、食事と一緒に飲んでも美味しいポルトワインもあります。
いずれにしても、旧港に面したレストランで美味しい料理に舌鼓を打った後、葉巻でもくゆらせながらポルトワインのグラスを片手にのんびりとした時間を過ごすなど、まさに人生の至福の時間と言えましょう(「葉巻」というのは比喩的表現。実際には僕はタバコは吸わないのですが……)。
さて、ポルトの食べ物というと、なんと言っても「トリパ」でしょう。イタリア料理の「トリッパ」は日本でも有名ですが、要するに牛や豚などの内臓料理です。
ポルトはその内臓料理で有名なので、ポルトの人たちは「トリペイロ」と呼ばれます。日本語に直せば「内臓食い」ですかね。
なんとも酷いニックネームのような気がしますが、実際にはポルトの人たちの愛国心を称える呼び名なのです。























