■ポルトのサッカーを育てたワイン

 ポルトには、美味しいものもたくさんありました。

 まず有名なのは、ポルトワインでしょう。

 ドウロ川上流で造られた赤ワインですが、発酵の途中でブランデー(ワインを蒸留して作ったアルコール度数の高い蒸留酒)を添加して発酵を止めたもの。普通のワインのアルコールは13%程度ですが、ポルトワインは20%程度もあります。そのため、保存性が高いのが特徴です。

 というのは、かつて英国はフランスから大量のワインを輸入していたのですが、フランスとの戦争もあってフランス・ワインを輸入できなくなってしまいました。そこで、古くからの同盟国であるポルトガルから輸入しようとしたのですが、ポルトガルから英国までは距離が遠いので輸送に日数がかかります。冷蔵装置などない時代のこと、品質が心配でした。そこで長期保存できるポルトワインを輸入したのです。

 そのため、ポルトの旧港周辺には英国にワインを輸出する企業の倉庫が立ち並び、英国人もたくさん住んでいたのです。

 そうして、19世紀半ばに現地在住の英国人がサッカー(アソシエーション式フットボール)という新しいスポーツを持ち込んだので、ポルトでは早い時期からサッカーが盛んになったというわけです。

つづく

(2)へ続く
PHOTO GALLERY ■【画像】モウリーニョが率いたポルトとラツィオによるUEFAカップ準決勝
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