旅の醍醐味は、その土地の歴史と文化を「舌」で味わうことにある。甘く芳醇なポルトワインがいかにしてポルトガルにサッカーの種を蒔き、名物の内臓料理「トリパ」がなぜ市民の愛国心の象徴となったのか――。世界中のスタジアムと食堂を巡る蹴球放浪家・後藤健生が、若き日の名将モウリーニョの素顔とともに、美しい港町・ポルトに息づく「食と蹴球」の密接な関係を解き明かす。
■世界遺産がある街
先日、地上波のテレビを眺めていたら「世界遺産」としてポルトの旧市街(歴史地区)が紹介されていました(TBSテレビ『世界遺産』3月15日)。
美しい街並み、ドウロ川の渓谷とそこに架かるドン・ルイス1世橋。河口に広がる旧港……。美しい風景を見ながら、遠い昔の記憶が次々と浮かび上がってきました。
僕がポルトガル北部のこの美しい港町を何度か訪れたのは2000年代初頭のことでした。
2001年、フィリップ・トルシエ監督の日本代表がフランスに遠征してスタッド・ドゥ・フランスでフランス代表に0対5という惨敗を喫した後、僕はポルトまで足を延ばしてポルトガル対オランダという好カードを観戦。その後、パリやロンドンでさまざまな試合を観戦してからアルゼンチンに向かいました(『サッカー批評』のアルゼンチン特集の取材)。
初めて訪れたポルトは本当に美しい街だと感心した覚えがあります。特に、夜のポルトが気に入りました。


















