■政治にすり寄るFIFA
しかし、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は明らかにトランプ大統領寄りの姿勢を見せている。昨年12月には抽選会を前にわざわざ「FIFA平和賞」を新設してトランプ大統領に授与。さらに今年の2月にトランプ政権が発足させた「平和評議会」の初会合にも出席してガザ地区復興資金として7500万ドルの拠出を表明した。
「平和評議会」というのは、イスラエルの侵攻を受けたガザ地区の戦後の復興などを担う暫定統治を監督するために国連安保理が設置を決めた機関だったが、でき上がったのはトランプ大統領自身が終身議長を務めるというもの。しかも、その権限や目的はガザ問題以外にも広がり、トランプ政権の行動を正当化するために使われかねない。そのため、EU(ヨーロッパ連合)加盟国や日本など西側の主要国は参加していない。
FIFAは、その疑念だらけの評議会に積極的に参加したのだ。
スポーツは政治に巻き込まれたりしない方が良い。国際競技連盟はスポーツが、あるいは選手が政治に巻き込まれるのを防ぐためにあらゆる努力を傾けてほしいものだ。だが、インファンティーノ体制のFIFAは、政治に巻き込まれているというより「自ら積極的に政治にすり寄っている」と言わざるを得ないのである。










