■世界の常識が通じないトランプ政権

 国際競技大会では開催国はその政治的立場に関わらず、すべての参加国の選手団を入国させるのが義務と言える。たとえば、昨年10月には体操の世界選手権がインドネシアで開催されたが、イスラム教徒が多いインドネシアではイスラエルによるガザ地区侵攻を非難する声が高まり、同国政府が選手団へのビザ発給を拒否して大問題となった。

 だが、国際法を無視してベネズエラやイランで軍事行動を繰り返すトランプ政権に、そうした「世界の常識」が通用するはずはない。

 では、もしアメリカがイラン選手団へのビザ発給を拒否したらFIFAはどうすべきなのか?

 体操の世界選手権を巡っては、国際体操連盟がそのまま大会を開催したことも問題視された。つまり、主催者である競技団体は開催国が義務を果たさないなら、開催地変更などを考慮すべきなのだ。だが、ワールドカップのような大規模な大会を他の国が肩代わり開催することは不可能だ。

 ところで、イランはワールドカップではベルギー、エジプト、ニュージーランドと同じグループGに入っている。イラン代表はFIFAランキングでも20位の強豪であり(日本は19位)、ランキング的にはエジプトと2位争いをすると予想される。

 そして、もし、イランがグループGの2位で決勝トーナメントに通過すると、ラウンド32では7月3日にテキサス州ダラスでグループDの2位と対戦することになっている。グループDにはアメリカが入っているので、もし、アメリカが2位通過になった場合、アメリカとイランが直接対決することもありうるのだ。

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