■ペロタス市の不思議な因縁
条件はブラジル国旗およびCBDの旗章に使われている青、黄色、緑、白の4色を使うことというだけで、あとは自由だった。25センチ四方の厚紙にデザインを描いて応募することとされた。400万クルゼイロという賞金も示された。11月14日に締め切られたとき、応募数は300件近くにのぼった。
12月9日、審査委員会が開催される。委員長はCBD会長、委員には、ブラジル美術協会代表のほか、メディアから2名、CBDから3名だった。
300もの候補からひとつを選ぶ作業は簡単ではなかった。しかし最終的に全会一致で最優秀作が決まった。19歳のアルジル・ガルシア・シュレというペロタスに住む青年の作品だった。黄色いシャツの首回りと袖に緑を入れ、青いパンツ、白いストッキングという、現在につながる「カナリア」のユニフォーム誕生の瞬間である。ペロタス市は、はからずもウルグアイ代表にブラジル代表を破るヒントを与え、また、ブラジル代表に新しい命を吹き込む若者を生むという、不思議な因縁の町となった。
ECペロタスのユニフォームは黄色だった。シュレはそのユニフォームからヒントを得たのではないかという推察もある。しかしシュレ自身が同じペロタスのライバルクラブである「グレミオ・ペロタス」のファンだったという話もあり、確かな話は伝わっていない。ただ、最終案にたどりつくまで、シュレは100もの案を考えたという。
「黄色は青・白ととてもよくマッチし、緑の縁取りが上品さを与えます」
表彰式の席上、シュレはそう語った。
だが、40年も経った1995年、シュレは、当時はブラジル代表よりウルグアイ代表が好きだったと告白している。自身サッカープレーヤーだった(プロにはなれなかったが)彼の少年時代の夢は、ウルグアイを1950年ワールドカップ優勝に導くゴールを決めたギッジャと一緒にプレーすることだったという。







