■ユニフォームに込められた思い
「カナリア」とは、もちろん、世界の家庭で愛されている黄色い羽を持った小鳥である。この鳥は大西洋に浮かぶスペイン領のカナリア諸島で繁殖していたものが有名で、諸島の名前から「カナリア」と呼ばれるようになった。
しかし少し不思議な話なのだが、「カナリア諸島」というこの島の名前は、ラテン語の「犬」に由来する。古代ローマの博物学者であったプリニウスがこの島について「非常に大きな犬が大量に生息している」と書いたことから「Canariae Inslae(犬の島)」と呼ばれるようになったというのである。すなわち、「カナリア」は、犬から島の名を経て黄色い小鳥の名となったのだ。
本題に戻ろう。ブラジル代表は黄色いユニフォームから「カナリア軍団」と呼ばれている。ブラジル国旗を見れば、この配色は自然なように見える。緑のベースのなかに黄色くひし形が描かれ、その中央に青い夜空と南十字星を中心とした9つの星座、そして「ORDEM E PROGRESSO (秩序と進歩)」という文字を刻んだ白いリボンが配されている。
黄色いシャツに緑の縁取り、青いパンツ、そして白いストッキング…。世界の多くのナショナルチームと同様、ブラジル代表も国旗の色をユニフォームに配しているのである。しかしブラジル代表の歴史が始まったときからこのユニフォームであったわけでない。このユニフォームの誕生には、「ブラジルの歴史に残る」と言っても過言でないひとつの敗戦の記憶と、そこからの再生の思いが込められている。







