サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、あの、黄色いユニフォームについて。
■世界があこがれたブラジル・カラー
このところフランスやスペインなどの欧州勢を前にやや旗色が悪いが、ワールドカップで常に優勝候補に名を連ねる南米の国といえば、やはりブラジルだろう。
過去22回のワールドカップに、唯一すべて出場しているのがブラジルである。しかもそのうち5大会で優勝を飾っている。最後に優勝したのが24年も前の2002年日本/韓国大会だったとはいえ、その後もベスト8より悪い成績はなく、「ワールドカップのプリマドンナ」の地位を守っている。
ブラジルといえば黄色いユニフォームである。その色から「カナリア軍団」とも呼ばれる。
少し脱線する。日本に「ワールドカップ」の全貌が初めて届けられたのが、1970年のメキシコ大会だった。東京12チャンネル(現在のテレビ東京)が全32試合のVTRをメキシコのテレビ局から入手し、「三菱ダイヤモンドサッカー」で大会後1年間にわたって放映した。
この大会で圧倒的な攻撃力を見せて優勝したのがブラジルだった。ペレ、ジャイルジーニョ、トスタン、リベリーノ、ジェルソン…。その攻撃ラインは、夢のようなテクニックで日本のファンを魅了した。そして黄色いシャツの袖と首回りを緑の縁で彩り、青のパンツ、白いストッキングの「ブラジル・カラー」に、誰でもあこがれた。
高校サッカーで急激に力をつけ、日本一に昇り詰めた東京の帝京高校も、「赤/白/赤」という伝統のユニフォームを脱ぎ、「ブラジル・カラー」で活躍した。帝京だけでなく、この時期、日本の各地で多くのチームが「カナリア軍団」になった。日本サッカーの発展は、1970年大会で夢のようなサッカーを見せた黄色いユニフォームのブラジルへのあこがれを抜きに語ることはできない。







