蹴球放浪家・後藤健生はサッカー観戦のためなら、どこへも向かう。たとえ山の上にあろうとも、労力を厭うことはない。場合によっては、登山のように坂を上ることもある。ヨーロッパに負けない急坂を、日本国内で楽しみながら。
■日本に存在する急すぎる坂道
ところで、僕がサッカーの試合を観戦するために最も急峻な登りを経験したのは、アルプス山脈でのことでも、アンデス山脈でのことでもありません。
横浜市の三ツ沢(ニッパツ三ツ沢球技場)に行くときでした。
横浜駅から三ツ沢に行くには、バスを利用するのが一般的でしょう。途中の停留所にも「浅間下」とか「北軽井沢」といった、いかにも山を思わせる名前が付いていますよね。道路も日光いろは坂のように曲がりくねっています。
駅から歩いてスタジアムに向かう人もたくさんいます。上り坂が続くのでちょっときついですが、僕も、気候の良いときにはトライします。ちょっとした登山気分を味わうこともできます。
三ツ沢の近くには豊顕寺(ぶげんじ)という法華宗の寺院があり、江戸時代には僧の学問所が設けられ、「三沢檀林」として広く知られていました。
第2次世界大戦の間に神奈川県が三ツ沢の丘の上に護国神社(戦死した兵士を祀る神社)を建設しようとしましたが、完成直前に空襲で焼けてしまい、戦争後にその跡地にスポーツ施設が設けられたのが三ツ沢公園です。








