サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、「やっちまった~!」場合に、どうすべきかについて。
■シュート=ゴールの試み
シュートのことを英語で「goal attempt(ゴールの試み)」とも表現する。シュートは得点するために必要なものだが、同時に、そのすべてが得点になるわけでないことは記録を見れば明らかだ。
2022年のワールドカップ・カタール大会で8ゴールを挙げて得点王となったキリアン・エムバペの例を見てみよう。
オーストラリアとの初戦からアルゼンチンとの決勝戦まで、彼はフランスの全7試合に出場(うち1試合は交代出場)し、合計32本のシュートを放ち、うち13本がゴールの枠内をとらえた。そしてゴールになったのは8本である。「シュート成功率25%」、すなわちエムバペでも、シュート4本のうち、ゴールの枠内に飛ぶのは1.625本で、得点となるのは1本に過ぎないのである。
こんなことは、誰でも知っている。だからストライカーたちは「ゴールへの試み」ができるチャンスをうかがい、その機会が訪れたときには躊躇することなく足を振り切る。しかしエムバペだって、それが得点として結実するのは4回に1度に過ぎないのである。












