■クラブに求められる「努力」

 しかし、課題は相変わらずスタジアムである。

 来季のJ1に初昇格を果たした水戸ホーリーホックは水戸市の「ケーズデンキスタジアム水戸」を使用してきた、収容は1万2000人。「J1基準」の1万5000人に満たない。本来なら「J1ライセンス」は交付されないのだが、数年間のうちに基準に適合するよう整備計画をまとめ、5年後までに完成させればJ1参入を認めるという「例外規定」の適用を受ける。計画がまとまらなければ、県立の笠松運動公園陸上競技場(収容2万2000人、茨城県那珂市)を使用することになるかもしれない。

 近年だけでも、広島や長崎など、魅力あふれるサッカー専用スタジアムが建設され、それによってクラブが活性化し、入場者が急増する例がいくつもある。観戦だけでなく、行くのが楽しみで仕方がないスタジアム、地域のシンボルに、そして誇りになるようなスタジアムづくりこそ、Jリーグが今後さらなる高みにのぼっていく重要なカギだ。ただ自治体にお願いするのではなく、Jリーグの協力を得てクラブが主体的に「理想のスタジアム」をつくっていく必要がある。

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