現在、サッカーのU-17ワールドカップがカタールで開催されており、若き日本代表も世界を相手に奮闘している。日本代表はグループステージを突破したが、ここまでの戦いぶりと、ここから先の道筋を、どうとらえていくべきか。サッカージャーナリスト後藤健生が考察する。
■あやうかった「本大会」への出場
さて、U-17ワールドカップの予選を兼ねたアジアカップは今年の4月にサウジアラビアで開催されたが、日本はグループステージでアラブ首長国連邦(UAE)に4対1で快勝したものの、ベトナムと引き分け、オーストラリアに敗れてしまう。なんとかグループステージを通過したものの、準々決勝では開催国サウジアラビアと対戦して2対2の引き分けの後、PK戦で敗れてベスト8に終わった。
ワールドカップが従来のレギュレーションのままだったら「アジア予選敗退」となるところだったが、U-18ワールドカップは今年から48か国参加になっていて、アジア枠も「8」に拡大されていたおかげで、なんとか出場権を得ることができた。
そのアジアカップの後、僕は『サッカー批評』で、同じくアジアカップで不甲斐ない試合をしたU-20日本代表と重ね合わせて、「日本の選手たちは正確にボールをつないで攻撃の形をつくることができた。だが、正確につなぐことを優先しすぎて、無理をしようとしなかった」と、以下のように批判的な原稿を書いた。
「縦にボールを入れればチャンスになる可能性がある場面でも、ちょっと相手に寄せられると安全にボールを横に、あるいは後ろに動かしてしまう。もちろん、相手にカットされる危険があるときにプレーをキャンセルする冷静な判断力も必要だが、無理をすべき時は無理をしなければいけない。「冷静さ」が、時として「臆病さ」になってしまうのだ」








