■大一番でジュビロ磐田がシステム変更
【J2リーグ第35節 11月2日 14時03分キックオフ 磐田 1ー0 長崎 ヤマハスタジアム】
J1昇格争いは、ラスト3ゲームまでもつれる。
シーズン佳境を迎えているJ2リーグ第35節が、11月2日に一斉開催された。J1昇格争いに関わるカードが複数あるなかで、2位のV・ファーレン長崎と8位のジュビロ磐田が激突した。
長崎は高木琢也監督が就任した20節から、16戦負けなしで勝点を重ねてきた。下平隆宏前監督の指揮下では複数失点の試合が19試合で「9」あったが、高木監督の就任後は1試合もない。堅守をベースとしながら得点ランキング首位のMFマテウス・ジェズスらが、確実に相手ゴールをこじ開けてきた。
しかしこの日は、これまでとは違った。
長崎の勝点は「63」で、磐田は「54」である。J1昇格のためには何としても勝点3のほしい磐田は、長崎の良さを消すためにシステムを変更してきた。ジョン・ハッチンソン監督がベースとし、32節から指揮を執る安間貴義監督も引き継いだ4バックではなく、3バックで長崎を迎え撃ったのである。
その狙いは「タスクの明確化」にあっただろう。
長崎の3-4-2-1に3-1-4-2のシステムを当てた磐田は、相手の1トップと2シャドーへのマークを明確にしつつ、長崎が強みとする両ウイングバックの攻撃力を抑えることに力を注いだのだった。
しかし、前半は倍井謙の右サイドが劣勢を強いられた。本来のウイングからウイングバックへポジションを下げた彼には、ドリブラーのMF笠柳翼を止めるのは簡単なタスクではない。
左ウイングバックの松原后は、DFを本職としている。ただ、彼のサイドにはMFマテウス・ジェズスがおり、左CBヤン・ファンデンベルフがジェズスについて前へ出ていくことでスペースが空き、長崎の右ウイングバック翁長聖や右ボランチの山口蛍に左サイドの背後のスペースを突かれるシーンがあった。
この試合のポイントは、前半の20分までだっただろう。磐田は少なくとも3度の決定機を与えたが、GK川島永嗣の好守などで何とか失点を避けることができたのだった。この時間帯にスコアが動いていたら、試合の行方はまったく違うものになっていたはずだ。







