
10月18日、J1リーグ第34節が行われ、18位の横浜FCが試合終了間際の劇的弾で名古屋グランパスと2−2の引き分けに持ち込んだ。ゴール決めたのは、この日33歳の誕生日を迎えたDF伊藤槙人だった。
試合前の時点でJ1残留圏17位の横浜F・マリノスと勝点31で並んでいた15位の横浜FCが、本拠地ニッパツ三ツ沢球技場に15位の名古屋を迎えた一戦。序盤からボールを握られながら鋭いカウンターで対抗し、前半20分に櫻川ソロモンのゴールで先制するも、後半に入って2点を奪われて逆転を許す苦しい展開となった。
だが、この日スタジアムに集まった横浜FCサポーター、そして選手たちは最後まで諦めない。前線への圧力を強めてパワープレーを仕掛けると、後半アディショナルタイム4分だった。
相手陣内左サイドから細井響が得意の矢のようなロングスローをゴール前に投げ込み、跳ね返されたボールを拾った山根永遠が再びゴール前へボールを送る。それもクリアされたが、そのこぼれ球が、後半15分から出場していた伊藤の足元へ。ボックス内でバウンドしたボールを左足インサイドで丁寧にトラップした伊藤は、そこからハーフボレーの形で利き足とは逆の左足で強烈なシュートを放つと、ボールは名古屋のDF陣5人とGKの間をすり抜け、バーに当たりながらゴールネットを揺らした。