■「負け越しているのに最初から受け身」
新井 最初のファーストタッチとか、試合への入り方はとても大事なことなんです。
勝っているチームならば、受け身でスタートしても大丈夫なんですが、アルビはチームが負け越しているのに、最初から受け身で試合に入っているんです。
鹿島はフルプレス的に前からガンガンとプレスをかけ続けた。開始4分にゴールキーパー(以後、GK)からセンターバック(以後、CB)にボールを渡すところをインターセプトされて、ペナルティエリア中央に入ってきたFW鈴木優磨に先制点を挙げられたんです。その時間帯は、もっとはっきりしたプレーを選手に選択させるべきだったんじゃないかと思いました。
――じゃあ逆に、試合開始後すぐに新潟がハイプレスを仕掛けてボールを奪うサッカーをやったほうがいいということなんでしょうか?
新井 そうですね、じゃあ、なんで、鹿島は試合開始後すぐにハイプレスを仕掛けてきたのかと言えば、アルビはGKからパスを出してビルドアップするので、GKからDFへのパスを遮断してゴールを奪うチャンスがあると考えたからですよね。
アルビも同じようなことをやっていいし、やるべきだと思います。あのようなハイプレスは、試合の最後までもつとは思わなかったんですが、鹿島には相手を試合開始から圧倒してやろうという意気込みが見えました。
――試合開始から受け身のサッカーを新潟がしていて、そこで開始4分にミスから失点してしまう。これで、監督のこの試合のゲームプランが崩れてしまうことになる。ゲームを考える中で、最初から厳しい状況下に置かれてしまった。
新井 なんでもないパスからのミスによる失点だったんですが、アルビは同じやり方を貫いて試合終了までやっていました。連携も上がってきたので、同点に追いつくのは難しくないと考えたんじゃないですかね。実際、17分に鹿島のパスミスから同点に追いついているんです。そこから当初のプラン通りに、アルビは進めていけたと思います。
――では、浦和戦を見ながら分析していきましょう。