■何度も「迷子」になりそうに
「3階まで」。僕たちはともかく、カメラマンは数十キロの重たい機材を担いで階段を昇らなければいけないのです。それに、女子の最終日は韓国を襲った豪雨の初日で、大雨の中を屋根もない外階段を昇っていくのはかなりの苦痛でした。なにしろ、無駄なアップダウンなんですから。
しかし、記者もカメラマンも不平を言うこともなく静かに階段を昇っています。「文句の一つくらい言ってやればいいのに」と僕は思っていたのです。
で、僕は文句を言ったのかって?
いいえ、僕はむしろこの導線に感謝していたのです。
というのは、僕はこのスタジアムに「苦手意識」があるからです。
2017年に韓国で開催されたU-20ワールドカップではこのスタジアムがメイン会場で、堂安律や冨安健洋がいた日本代表もこのスタジアムで南アフリカ、ウルグアイと戦いました。
で、そのとき(も)僕はこのスタジアムで何度も迷子になりかけました。