
イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドが、新シーズンに着用するサードユニフォームを発表した。ユニフォームそのものだけではなく、発表に用いられた「和風動画」にも注目が集まった。
マンチェスター・ユナイテッドは、近年になく苦しい時期を過ごしている。昨シーズンはプレミアリーグで15位と低迷。1989―90シーズン以来となる2ケタ順位に沈んだ。
イングランドだけではなく、世界でも屈指の名門クラブであるマンUにとっては、大きな落胆のシーズンだったことだろう。プレミアリーグ最多優勝を誇るクラブが、今世紀に入って最もひどいシーズンを送ってしまったのだ。
だが、かつても、こういう時期はあった。1988-89シーズンから2年連続で、2ケタ順位に甘んじたことがあるのだ。
太陽が昇る前、一番暗いのは夜明け前だという。その言葉のとおり、前述の屈辱のシーズンの後、マンUは強い輝きを放った。
1992-93シーズンにはプレミアリーグのタイトルを取り戻し、翌1993-94シーズンにはFAカップも手にしてクラブ史上初の2冠を達成。そこからクラブは黄金時代へと入っていった。
その栄光の再現への“強い気持ち”が形となった。シーズン開幕を前に発表されたサードユニフォームは、黄金時代を築いた1993-94シーズンなどに着用されたアウェイユニフォームをモデルとしたものなのだ。
ベースカラーは黒。その引き締まったボディを、肩から腕にかけてイエローのスリーストライプスが彩る。さらに襟部分には、青い三本線も用いられ、Vネックを形成している。このデザインがクラブのSNSで発表されると、すぐに「今季ベストユニフォーム」「ここ数十年でベスト」「10点満点、文句なし」などの声が上がった。
だが、世界を驚かせたのは、ユニフォームだけではなかった。発表に際して、クラブは動画を制作。クラブのレジェンド、ディミタール・ベルバトフが出演しているのだが、どうにも不思議な出来に仕上がっているのだ。
動画は和室のような場所から始まる。掛け軸らしきものには、アディダス社の有名なロゴが躍る。ベルバトフが「規律が必要だ」など心がけを説いていく動画で、空手を連想させる場面がチラつく。