■J選抜は「9人入れ替え」全員が先発出場
2戦目は、リバプールの選手たちのコンディションが回復し、さらにスタジアムに涼しい風が吹いたことで互いの良さが出る熱戦に。
エキウグボも無事に先発出場を果たした他、10番のトルワニ・オケローラもゴールに近い位置での動きが増え、怖さを発揮した。
J選抜は1戦目で先発した新村やゼイナー大耀(東京ヴェルディジュニアユース)ら9人を入れ替え。2戦で招集した全員を先発出場させた。
リバプールは7番のカイ・モーラル(写真)が個で打開、2番のチャーリー・フースが連携でサイドを攻略、と1戦目よりも攻撃のバリエーションを多く見せたが、J選抜は2戦続けての先発となった竹内を中心に、慌てることなくしっかりと戦い、ゴールを許さない。
拮抗した熱戦は互いにチャンスを作りながらもゴールが遠いまま、後半へ。
J選抜はハーフタイムの交代に加え、1戦目でサイドアタックのアクセントになっていた廣山濯(アスルクラロ沼津U15)やゼイナーらも投入して主導権を握りにかかるが、選手たちの経験のために設定されていた、引き分けの場合のPK戦実施が現実味を帯びてきた。
しかし、1戦目に続き、またしてもリバプールに決定的なミスが発生。リバプールのGKが交代直後のファーストプレーでバックパスの処理を誤った隙を逃さず、阿部圭吾(FC町田ゼルビアジュニアユース)がネットを揺らした。
リバプールはベンチに下がっていた10番のオケローラを再投入して前がかりになるが、アディショナルタイムにGKの大屋湊亮(柏レイソルU-15)からのロングフィードで柿沼伶音(鹿島アントラーズつくばジュニアユース)がエキウグボを上回り、決定的な2点目を獲得。J選抜が2連勝を飾った。
この大会は入場無料で行われ、2試合とも3000人を超える観衆を集めた。そして、客層のメインはふだんのJリーグの試合と異なり、小中学生の子どもたち。
自分たちと同じくらいの年齢の選手たちのプレーを、友人たちと「すげえ」「大人みたい」と話しながら見ていた彼らは、試合後、その日、見つけた各々のヒーローにサインや写真撮影をお願い。両チームの選手たちも快くそれに応じ、平和で幸せな空間となっていた。
選手たちにとっても、これも含めて、すべてが貴重な経験になったことだろう。海外クラブの来日は多くとも、育成年代の強化までパッケージングできるのはJリーグ公式による開催ならでは。
2年続けて実施された、この素晴らしいプライスレスな取り組みが、毎年の定番として定着することを願わずにはいられない。
■第1戦試合結果
U-15 Jリーグ選抜 1-0 リバプール U-15
■得点
21分 太田凛空
■第2戦試合結果
U-15 Jリーグ選抜 2-0 リバプール U-15
■得点
62分 阿部圭吾
80+4分 柿沼伶音



