画像・写真:15歳以下の「Jリーグ選抜」と「リバプール選抜」が激突、「特別な才能」飛び級の日本代表CBが守備を統率して「無失点」で2連勝!浮上した「その後の育成年代」の課題【U-15 Jリーグ選抜vsリバプール U-15】激闘PHOTOギャラリー 原壮史 J1 リバプール Jリーグ 2025.08.03 昨年に引き続き、Jリーグはワールドチャレンジマッチ(今年はマリノスvsリバプール)の開催に合わせて、同クラブのU-15のアカデミーチームも招待。サッカーの水準向上と国際社会との親善、および交流を目的とし、Jリーグ選抜チームを構成して試合をおこなった。選抜チームの監督は川井健太、コーチには元日本代表GKの中村航輔(写真)や青山敏弘らも名を連ねた。(20250729)撮影/原壮史(Sony α1使用) キャプテンはセンターバックの竹内悠三(写真/名古屋グランパスU-15)が務めた。今年の2月、4月、7月に、年齢が1つ上のU-16日本代表の海外遠征にも招集された守備の要は、抜群の安定感でチームを統率した。(20250729)撮影/原壮史(Sony α1使用) 竹内をはじめ、選手たちはフィジカルの部分でリバプールと互角に戦った。逆に、日本の特長の1つであるアジリティの部分では、リバプールがJ選抜と互角に。この世代では地域差に由来する長所と短所の差がなくなってきているようだ。体のサイズの部分でも同様で、リヴァプールは195㎝のGKを起用したが、J選抜の初戦のゴールを守ったのは190㎝の新村和史(写真/RB大宮アルディージャU15)。その他のポジションでも単純な身長差が、そのまま局面の勝敗を分けるということはなく、この先の世代で急激に広がる身長以外のフィジカル面での差をどのように埋めることができるか、が育成年代中盤以降の課題の1つとなっている。(20250729)撮影/原壮史(Sony α1使用) 試合は2戦とも、現代サッカーらしく、どちらのチームも最終ラインが安定し、ゴールが生まれにくい展開に。J選抜の竹内と同様、リバプールにもセンターバックに特別なタレントが。U-15イングランド代表のシャドラック・エキウグボ(写真)は、プレスに対してボールを「個」で保持できる強さと巧さを兼ね備えていた。(20250731)撮影/原壮史(Sony α1使用) 1戦目はリバプールが長距離移動と酷暑でコンディションが整いきらず、前半からコンディション由来の精度不足で苦しむ時間が多くなった。自分たちのミスからJ選抜に先制を許すと、さらに前半途中でエキウグボも交代を余儀なくされた。後半に入ると足がつってしまう場面が頻出し、そのまま1-0で終了した。 2戦目は、リバプールの選手たちのコンディションが回復し、さらにスタジアムに涼しい風が吹いたことで互いの良さが出る熱戦に。エキウグボも無事に先発出場を果たしたほか、10番のトルワニ・オケローラ(写真)もゴールに近い位置での動きが増え、怖さを発揮した。(20250731)撮影/原壮史(Sony α1使用) J選抜は1戦目で先発した新村やゼイナー大耀(写真/東京ヴェルディジュニアユース)ら9人を入れ替え。2戦で招集した全員を先発出場させた。(20250729)撮影/原壮史(Sony α1使用) リバプールは7番のカイ・モーラル(写真)が個で打開、2番のチャーリー・フースが連携でサイドを攻略、と1戦目よりも攻撃のバリエーションを多く見せたが、J 選抜は2戦続けての先発となった竹内を中心に慌てることなくしっかりと戦い、ゴールを許さない。(20250731)撮影/原壮史(Sony α1使用) 拮抗した熱戦は互いにチャンスを作りながらもゴールが遠いまま、後半へ。J選抜はハーフタイムの交代に加え、1戦目でサイドアタックのアクセントになっていた廣山濯(写真/アスルクラロ沼津U15)やゼイナーらも投入して主導権を握りにかかるが、選手たちの経験のために設定されていた、引き分けの場合のPK戦実施が現実味を帯びてきた。(20250731)撮影/原壮史(Sony α1使用) しかし、1戦目に続き、またしてもリバプールに決定的なミスが発生。リバプールのGKが交代直後のファーストプレーでバックパスの処理を誤った隙を逃さず、阿部圭吾(FC町田ゼルビアジュニアユース)がネットを揺らした。リバプールはベンチに下がっていた10番のオケローラを再投入して前がかりになるが、アディショナルタイムにGKの大屋湊亮(写真/柏レイソルU-15)からのロングフィードで柿沼伶音(鹿島アントラーズつくばジュニアユース)がエキウグボを上回り、決定的な2点目をゲット。J選抜が2連勝を飾った。 この大会は入場無料で行われ、2試合とも3000人を超える観衆を集めた。そして、客層のメインはふだんのJリーグの試合と異なり、小中学生の子どもたち。自分たちとそこまで変わらない年齢の選手たちのプレーを友人たちと「すげえ」「大人みたい」と話しながら見ていた彼らは、試合後、その日、見つけた各々のヒーローにサインや写真撮影をお願い。両チームの選手たちも快くそれに応じ、平和で幸せな空間となっていた。選手たちにとっても、これも含めてすべてが貴重な経験の場になったことだろう。(20250731)撮影/原壮史(Sony α1使用) 写真の記事へ戻る