
【明治安田Jリーグワールドチャレンジ U-15 Jリーグ選抜VSリバプール U-15 2025年7月29/31日 19:00キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-1使用)
■なくなってきた「長所」と「短所」の差
昨年に引き続き、Jリーグはワールドチャレンジマッチ(今年はマリノスvsリバプール)の開催に合わせ、同クラブのU-15のアカデミーチームも招待。サッカーの水準向上と国際社会との親善、および交流を目的とし、Jリーグ選抜チームを構成して29日、31日と計2試合おこなった。
選抜チームの監督は、昨シーズンまでJ 2サガン鳥栖を指揮した川井健太が務め、コーチは元日本代表GKの中村航輔や元サンフレッチェ広島の青山敏弘らが名を連ねた。
キャプテンはセンターバックの竹内悠三(名古屋グランパスU-15)。今年の2月、4月、7月に、年齢が1つ上のU-16日本代表の海外遠征にも招集された“守備の要”は、抜群の安定感でチームを統率した。
竹内をはじめ、選手たちはフィジカルの部分においても、アジリティの部分においても、リバプール選抜と互角に戦った。この世代では、地域差に由来する長所と短所の差がなくなってきているようだ。
体のサイズの部分でも同様で、リバプールは195cmのGKを起用したが、J選抜の初戦のゴールを守ったのは、190cmの新村和史(RB大宮アルディージャU15)。
その他のポジションでも、単純な身長差がそのまま局面の勝敗を分けるということはなく、この先の世代で急激に広がる身長以外のフィジカル面での差を、今後どのように埋めることができるか、というのが育成年代中盤以降の課題の1つになっている。
試合は2戦とも、現代サッカーらしく、どちらのチームも最終ラインが安定し、ゴールが生まれにくい展開に。
J選抜の竹内と同様、リバプールにもセンターバックに特別なタレントがいる。U-15イングランド代表のシャドラック・エキウグボがその選手で、プレスに対してボールを「個」で保持できる強さと巧さを兼ね備えていた。
1戦目はリバプールが長距離移動と酷暑でコンディションが整いきらず、前半からコンディション由来の精度不足で苦しむ時間が多くなった。
自分たちのミスからJ選抜に先制を許すと、さらに前半途中でエキウグボも交代を余儀なくされた。後半に入ると足がつってしまう場面が頻出し、そのまま1-0で終了した。