
この夏、サッカーに「新たな見どころ」が加わるかもしれない。要因となるのは、Jリーグで8月頭から適用される新しいルール、ゴールキーパー(以降、GK)の「8秒ルール」である。この新ルールは、Jリーグに、どのような影響をもたらすのか。サッカージャーナリストの後藤健生が検証する。
■「サッカーの魅力」が高められれば成功
バレーボールではかつて「サイドアウト制」が採用されており、サーブ権を持っているチームだけが得点できたが、フルセットマッチになると試合時間が非常に長くなってしまうので、1999年からサーブ権のあるなしにかかわらず得点が入る「ラリーポイント制」に変更になった。
テニスでゲームカウントが6対6になった後に行われる「タイブレーク制」も、試合時間短縮のために1970年代に採用された。
こうして、各競技は競技の魅力を高めるために、さまざまなルール改正を行っているが、サッカーのバックパス禁止ルールや今回の「8秒ルール」もそうしたルール改正の一つということになる。
サッカーというのは、競技時間が90分と決まっているスポーツで、たとえ延長・PK戦になっても3時間を超えるようなことは原則としてない。また、他のボールゲームと比べて、ファウルなどでプレーが途切れることが少ないことも大きな魅力の一つだ。
「8秒ルール」によって、そうしたサッカーの魅力が少しでも高められれば成功だ。