■珍しい「観客1万人」以上の上位対決

 たしかに、フィジカル面を前面に押し出した、かつての韓国のサッカーとはだいぶ違った。

 韓国代表もそうだが、今の韓国のサッカーは日本と同じようにパスをつないでビルドアップしようとする傾向が強まっている。つまり、戦術的にはJリーグとほとんど変わらない。

 最近、Jリーグでは3バック(3-4-2-1)を採用するチームが増えているが、僕が観戦した試合のうち大邱と浦項はやはり3バックで戦っていた(尚武は可変システムで、全北は4-1-4-1だった)。

 全北は前節終了時点で首位に立っており、浦項は4位。つまり、この試合は上位対決でもあったし、韓国の伝統あるチーム同士の一戦だった。さらに、浦項にはセルティックなどで活躍したベテラン奇誠庸(キ・ソンヨン)が移籍してきて初めての“顔見せ”の試合ともなった。

 というわけで、この日は浦項スティールヤードには1万3973人の観客が集まった。前にも述べたようにソウル以外で1万を超えるのは珍しいことだ。

 そして、その大観衆の後押しもあってホームの浦項が前半に2点を奪った。実際、45分を通じて浦項はゲームを支配していた。

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