■今回のE-1選手権「最大の収穫」

――試合中のシステム変更にも、スタッフの力が大きかったとのことでした。

大住「そうだね。韓国戦でも1点差を守る終盤、最終ラインの中央に相馬勇紀と交代した植田直通が入って、3バックに入っていた古賀太陽を左のウィングバックに回したよね。ああいう変更を、4バックでも3バックでも、選手を代えずにできたら、すごくいいと思うんだよね。中国戦で長友がサイドバックとして先発して、途中から変更した3バックに入っていた。ああいうことができるようにしておかないと、ワールドカップでは戦えないと思う」

後藤「カタール・ワールドカップはシステム変更で成功をつかんだけど、あれはハーフタイムでの選手交代も含めた変更だったからね。でも今回の中国戦では、選手交代なしでできたわけだよね。それが今回のE-1の収穫なんじゃないかなあ。相手は本大会に出てくるチームではないし、日本もメンバーは変わっていたけど、選手もコーチも対応できたというのは、本大会に向けてのシミュレーションになった」

大住「試合の中で、4バックか3バックか、相手につかませないようなことが、今のチームならできると思うんだよね」

後藤「一番の理想は、ベンチの指示じゃなくて、選手の判断でシステムも自在に変えられるようになることだね」

大住「選手が判断してもいいんだけど、ピッチにいる11人がそうだねと思わなければ混乱するからね」

後藤「今回のE-1のように、ふだん一緒にプレーしていない選手たちでもできたんだから、できるんじゃないの」

大住「もしかしたら、そういうことを可能にしたのが、長友の力だったのかもしれないよね」

後藤「9月のアメリカ遠征、あるいはその後でもいいから、どこかで強い相手にやってみてほしいね」

(5)へ続く
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