
Jリーガーが代表メンバーの「E-1選手権」は、日本の優勝で幕を閉じた。そして、その活躍はJリーグへと興味を移行させる。例年以上の大混戦となっているJリーグの「これまで」と「今後」について、ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が激論を交わす!
■A・ロペス移籍が「チャンス」に
――若い才能など明るい話題もいいのですが、残留争いも気になります。
大住「最大の注目は最下位の横浜F・マリノスだよね。ケガ人がすごく多くて、特にCBがいなくなったというのは痛かったけど、だいぶ復帰しつつあるみたいね。ジェイソン・キニョーネスはもう試合に出られる状況だという話だし。ただ、点が取れないが、もうひとつの問題で…」
後藤「点を取れそうな選手は、いなくなっちゃうんでしょ?」
大住「ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール1部)に移籍するアンデルソン・ロペスだけど、もう最盛期を過ぎたような気がするけどなあ」
後藤「最盛期ではないかもしれないけど、あのチームでは貴重な得点源だよ」
大住「言ってみれば、今年になってからエウベルは外されていたけど、あのブラジル人トリオに頼るサッカーというのが、数年前から続いていた。ヤン・マテウスはそんなに落ちているわけじゃないけど、やはりプレーを知られて完全に対策を練られて、効果的ではなくなっている。
A・ロペスはややスピードが落ちて、シュートに持ち込んでもほとんどブロックされるような状況で、彼に以前の得点力を期待するのは難しいような気がする。だから、そこをもっと早くに手当しなければいけなかったんだけど、相も変わらず今年もあの3人でスタートした。監督が2度変わったけど、まだ頼りにしている感じがする。ケガ人が多い影響があるのかもしれないけど。そこら辺を思い切らないと。逆にA・ロペスが出ていくことが、何かしらのチャンスになるかもしれないけど」
後藤「そうやって思い切ってチームを変えていくのは、シーズンが始まる前にすべきこと。この段階に入った今でもそういう変化をしていいのか、それとも今年いっぱいは残った外国人に頼り切りでやるしかないのか。その2択だね」