■組織として「攻撃の形」が完成していない
大住「5人交代制を攻撃的に使うか、そういうふうに最後まで穴をつくらないように守備的に使うかというのは、チームや監督の考え方次第だと思うけど、それが守備のほうに完全に振れている感じがするよね。1試合平均1得点に届かないチームが、たくさんあるんだからね」
後藤「で、そういう守備を何とか打開できる攻撃的な選手は皆、ヨーロッパに行っちゃうしね。守備はそれなりの選手をそろえて頑張ればものになるけど、攻撃はやはり個人能力のある選手がいないと」
大住「組織として攻撃の形がちゃんと完成していないチームも多いような感じがするんだよね。中盤まではパンパンとパスを回していくけど、最後のところでアレアレと終わる攻撃がとても多い。そういう状況だけど、後藤さんも取材した川崎フロンターレと鹿島アントラーズの試合は、わりと攻撃が活発な試合だったよね」
後藤「川崎はレアンドロ・ダミアンとかいた時代のように最後に決め切るものがないんだけど、形はつくれている」
大住「そうだね。あの試合の前半には、鹿島も活発に攻めていた。後半は川崎に支配されちゃったけど、試合を通してゴール前の攻め合いが多い試合だった。あのくらいの試合を皆がしていかないと、Jリーグは危ないんじゃないのかなと思うよ」