■エース交代と「悪条件」の中での3連戦
川崎にとって気の毒だったのは、前半13分という早い段階でマルシーニョが交代を余儀なくされたこと。代わって入った宮城天はけっして悪いパフォーマンスではなかったが、早い時間帯に交代カードを1枚使ってしまったため、ゲームの終盤での交代に制約がかかった。
なにしろ、連日の暑さの中での連戦だ。この試合も、公式記録によれば気温29.3度・湿度66%という悪条件の中での試合だった。
もちろん、気象条件は相手にとっても同じではあったが、川崎は水曜日にもアルビレックス新潟と試合をしており、中3日の3連戦目だった。当然、チーム全体に疲労感はあるだろうし、トップに19歳の神田奏真を起用するなど、メンバーも変更せざるをえなかった。
そして、後半になると東京Vに押し込まれる状態が続いたため、さらに疲労が蓄積されていった。だが、前半のうちに交代カードを使っていたため、最後の時間帯にフレッシュな選手を起用することができなかった。
川崎は、ボールを走らせるサッカーをする。ボールを動かして、相手を走らせる。従って、夏場でも十分に戦えるチームではある。
しかし、それでも、この気候条件での連戦はきつい。AFCチャンピオンズリーグ・エリートで決勝まで戦ったことで、この時期に未消化分を含めて連戦を強いられていたわけだが、本来、6月といえば梅雨で雨に降られたり、湿度が高かったりはしても、これほどの高温に見舞われるはずの時期ではない。
だが、気候変動の影響で日本列島は真夏並みの天気が続いているのだ。
すでに西日本は梅雨明けが発表されており、東日本もまるで梅雨明けしたような天候となっている。
6月下旬から、この暑さ。そして、暑さは8月いっぱいでは収まらないだろう。夏は、間違いなく昔より長く、そして暑くなっている。