【2025年J2「第20節」ジェフユナイテッド千葉VSジュビロ磐田「徹底分析」】磐田、ジョルディ・クルークスという絶対的な「個」 左足でも右足でも…右サイドを支配し先制点もゲット【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
磐田の右サイドを支配するMFジョルディ・クルークス  撮影/中地拓也

■磐田の先制点につながった「布石」

【J2リーグ第20節 6月21日 19時03分キックオフ 千葉 0ー1 磐田 フクダ電子アリーナ】

 後半戦のスタートは、「戦国J2」を印象づけるものとなった。

 J2リーグ第20節が6月21、22日に行なわれ、前半戦首位ターンのジェフユナイテッド千葉は21日、J1昇格プレーオフ圏の6位のジュビロ磐田とホームで対戦した。

 千葉は15節のFC今治戦を最後に、4試合勝利から遠ざかっている。一方の磐田は、13節から7戦負けなしだ。

 千葉は4-4-2、磐田は4-2-1-3のシステムを採る。相手ゴールへどのように迫るのかはそれぞれだが、磐田はMFジョルディ・クルークスとMF倍井謙(ますい・けん)の両ウイングへボールを供給することが、ファイナルサード攻略の重要な道筋となっている。

 24分の先制点は、倍井のPK獲得によって生まれた。左CBリカルド・グラッサにパスが入った瞬間、倍位が左サイドのスペースへ走り出す。対面する千葉の右SB高橋壱晟の背中を奪ったのだが、直前の17分のプレーがその布石となっている。

 グラッサから倍井の足元へ、パスが入っているのだ。倍井はハーフスペースに立つ左SB松原后へワンタッチパスをつなぎ、リターンパスを受けて左サイドの深いスペースまで侵入している。

 PK獲得への流れで倍井がパスを受ける直前、高橋は前へ踏み出している。17分のプレーと同じ足元へのパスを警戒したのだろう。その刹那に倍井は高橋の裏を取り、内側へ切り込んでPKを獲得したのだった。このPKをクルークスが決め、磐田は先制に成功したのである。

  1. 1
  2. 2
  3. 3