
蹴球放浪家・後藤健生は陸海空を行く。サッカー取材のために、時には船で海を渡ることもあるのだ。サムライブルーと若き女子日本代表の「連戦」には、フェリーを使った。
■港町を見るのに「最高」の視点は
函館は港町。江戸時代の末期、ペリー提督率いるアメリカ艦隊がやってきて日本に開国を迫ります。オランダからの情報などに基づいて世界情勢を把握していた幕府は開国の必要性も認識しており、結局5か国と通商航海条約を締結し、神奈川(横浜)など5つの港の開港を約束します。つまり、その港に外国船が入港し、外国人商人がそこに住んで貿易などを営むことを許したのです(外国人は居留地内に住むことを義務づけられます)。
そして、大きな港町だった横浜や神戸ではさまざまなスポーツが行われるようになり、横浜では日本で初めてフットボールが行われます。
港町を見るのに最高の視点は、もちろん海から眺めること。遊覧船もいいですが、フェリーで外海に出ていくときに街が遠くにかすんでいく光景は、ノスタルジックで良いものです。
函館の街が見えなくなると、対岸には青森県の下北半島が見えてきます。
僕は、いったん船室に戻りました。「船室」といっても、いちばん安いスタンダードは広間のようになっていて、乗客は好きな場所で寝転んだり座ったりしています。