【2025年J2「第19節」モンテディオ山形VSベガルタ仙台「徹底分析」】「みちのくダービー」に決着をつけたのは仙台背番号8の左足!相次ぐ監督交代、長崎も下平隆宏氏との契約を解除【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
決勝ゴールを決めたベガルタ仙台MF武田英寿(左)  撮影/中地拓也
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■決着をつけたのは武田の直接FK!

【J2リーグ第19節 6月15日 16時01分キックオフ 山形 3ー4 仙台 NDソフトスタジアム山形】

 ベガルタ仙台モンテディオ山形の「みちのくダービー」は、熾烈なシーソーゲームとなった。

 J2リーグ第19節が6月14、15日に行なわれ、3位の仙台は15日、15位の山形とアウェイで激突した。前半を2対2で折り返すと、後半は両ベンチが交代カードを切りながら3点目を目ざす展開となる。

 時間の経過とともに、次の1点が重みを増していく。そのなかで、仙台は76分に3失点目を喫する。

 ペナルティエリアすぐ外からのクロスを、ゴール右で山形FWディサロ・燦・シルヴァーノに頭で決められたのだが、DFラインが揃っていないことでディサロをフリーにしてしまったのである。右SB高田椋汰が違う選手を意識し、瞬間的にDFラインより前にポジションを取った。それによって、ディサロに背中を奪われたのだった。

 それでも、仙台は81分に同点とする。最終ラインからの縦パスを、新加入で途中出場のFW小林心が敵陣左サイドで収める。内側へ持ち出して右MF真瀬拓海につなぐ。選手交代に伴ってSBからサイドハーフへポジションを上げていた真瀬が、丁寧なラストパスをペナルティエリア右で通す。右外から走り込んできた右SB高田椋汰の右足のワンタッチシュートが、相手GKの左脇をすり抜けていった。

 3対3のままアディショナルタイムへ突入した一戦に、決着がついたのは90+2分だった。ゴールまで25メートル強のやや右からの直接FKを、MF武田英寿が得意の左足で決め切ったのだった。7枚の壁を打ち破った一撃が、ゴール左へ鮮やかに吸い込まれたのだった。今シーズンから仙台に完全移籍した背番号8が、この重要な場面でクオリティを見せつけたのである。

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