【2025年J2「第17節順延分」RB大宮アルディージャVS愛媛FC「徹底分析」】“ゴラッソFK”愛媛に土壇場で追いついた2位・大宮 「立ちかたひとつでスペースはある」を実践した同点ヘッド【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
土壇場で同点ヘディングゴールを決めたRB大宮アルディージャ豊川雄太  撮影/中地拓也
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■失点後すぐにシステムを変更し…

【J2リーグ第17節 6月8日 14時03分キックオフ 大宮 1ー1 愛媛 NACK5スタジアム大宮】

 得点機を繰り返し逃していると、試合の流れは自分たちから離れていく。これはもうサッカーでは、必ずと言っていいほど起こりうるものだ。

 J2リーグ2位のRB大宮アルディージャと、同最下位の愛媛FCが対戦した6月8日のJ2リーグ第17節は、まさにそういった展開となった。この試合は天皇杯との兼ね合いで順延されていたもので、RB大宮は2点差以上で勝利すればジェフユナイテッド千葉を抜いて首位に立つことができる。

 ところが、愛媛にスコアを動かされてしまうのだ。56分、FW村上悠緋に直接FKを蹴り込まれた。ゴラッソと言うべき一撃だった。

 今シーズンのRB大宮は、ホームで6勝3分と無敗を誇る。もっと言えば昨シーズンから、ホームでははっきりとした強さを見せてきた。J2リーグも折り返しが近づき、NACK5スタジアム大宮へやってくるチームは慎重な試合運びを選ぶ傾向が強まっている。

「J3から上がってきたチームに、自分たちの強みをぶつけて勝点を持って帰ろう」という強気の姿勢ではなく、「ホームで負けていないRB大宮から、どうやって勝点をつかめるか」という慎重なメンタリティに変わってきている。

 0対1となった直後の59分、RB大宮の長澤徹監督は3枚替えをした。3-4-2-1から4バックへシステムを変える。CBガブリエウ、交代出場のCB中山昴太が最終ライン中央からパスを配球し、右CBから左SBとなった下口椎葉がアグレッシブに攻撃へ絡んでいく。愛媛が後ろに重たくなったこともあり、RB大宮がほぼ圧倒的にボールを保持しながら、敵陣でゲームを進めていった。

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