初の外国人監督の初陣で「史上2度目」の勝利で初優勝、初戦完敗の原因は「エース不在」と「難しい調整」と【ブラジル戦2連敗で分かった「なでしこジャパン」の現在地と光明】(2)の画像
エース長谷川唯の不在も、なでしこジャパンには痛かった。撮影/渡辺航滋(Sony αー1使用)

 サッカー日本女子代表がブラジル女子代表と対戦し、2連敗を喫した。日本と時差のあるアウェイでの連戦という厳しい環境だったことを差し引いても、連敗という事実は揺るがない。そこから何が見えたのか。サッカージャーナリスト後藤健生が、なでしこジャパンの「現在地」、そして、今後の「光明」を探る!

■オリンピック終了後の「解任」

 2023年のワールドカップや24年のパリ・オリンピックでは、日本は堅守を武器に戦って善戦した。ワールドカップのグループリーグではスペインの攻撃を組織的守備で完封し、カウンターから4点を奪って快勝したこともあった。

 このように、最近の主要大会では池田太監督の下、守備の組織を構築し、ゲーム戦術を駆使して強豪相手に食らいついていた「なでしこジャパン」だった。だが、女子委員長の佐々木則夫氏は池田監督の“守備的な”戦い方に不満を抱き、オリンピック終了後に同監督を解任。12月に女子代表史上初の外国人監督としてデンマーク人のニルス・ニールセン監督が就任した。

 ニールセン監督の初陣となった今年3月のシービリーブスカップでは3連勝で初優勝。最終戦では過去に1度しか勝ったことのなかったアメリカ代表相手に勝利。PK戦での勝利を除いてアメリカに勝ったのは史上2度目のことであり、アメリカ相手にあそこまで押し込みながら勝利したのは初めてだった。

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