■「上々のスタート」新監督の課題
この大会での上々のスタートで、攻守両面にわたって積極的な試合を志向するニールセン監督のサッカーは高い評価を受け、大きな期待を集めることになった。
だが、4月6日に大阪で行われたコロンビアとの親善試合では、終始ボールを握って優位に試合を進めながらなかなか得点できず、カウンターからコロンビア唯一のシュートを決められ、後半アディショナルタイムに髙橋はながPKを決めて、なんとかホームでの敗戦を免れた。その後に行われたトレーニング・マッチでは大勝したものの、コロンビア戦は「拙戦」と言われても仕方のない内容だった。
そして、ブラジル相手に2連敗……。ニールセン監督は「まだ、チーム作りに着手したばかりで、さまざまな選手をテストしている段階」と言うが、多くの課題が明らかになりつつあるようだ。
さて、ブラジル戦の話題に戻ろう。
初戦で完敗となった原因はいくつか考えられる。
まず、一つはこのチームの中盤の軸である長谷川唯が体調不良のため招集辞退となったこと。やはり、現在のなでしこジャパンの攻撃面において、長谷川の存在感は圧倒的なものがある。エースの不在がパフォーマンスに影響を与えたことは否定できない。