■高校選手権を「人気大会」に!

『キャプテン翼』に先立つ人気サッカー漫画は『赤き血のイレブン』だろう。1970年正月の全国高校サッカー選手権で浦和南高校(埼玉県)が優勝。エースの永井良和(2年生)は一躍スターとなった。そして優勝とほぼ同時に「週刊少年キング」でこのサッカー漫画の連載が始まった。原作・梶原一騎(1936~1987)作画・園田光慶(1940~1997)のコンビである。

 そしてその年の4月には、早くもテレビアニメにもなった。地球の丸みを感じるデコボコの土のグラウンドをザクザクと走るシーン(ドリブルの想定だった)ばかり記憶に残っているが、視聴率は悪くなかった。

 当時関西で行われていた高校選手権を首都圏に持ってきて野球の甲子園に匹敵する大会にしようとしていた日本テレビが、前年夏の高校総体で優勝した浦和南を見て、日テレ系でのアニメ化を約束して「少年キング」に働きかけたものと思われる。

 梶原一騎は、「巨人の星」、「柔道一直線」、「あしたのジョー」などの超ヒット作を週刊の少年漫画誌に連載していた当代随一の漫画原作者であった。この作品で「高校サッカー」をアピールした日テレは、1976年度の大会(1977年正月)から会場を首都圏に移し、一躍、人気大会とした。

PHOTO GALLERY ■【画像】『キャプテン翼』作者・高橋陽一先生とロベルトノート52ページの中身!
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