■作者ちばてつやの「広い視野」

 だが私が知る限りでは、マスメディアにおけるサッカーをテーマにした漫画の最初は、『ハリスの旋風(かぜ)』ではなかったか。作者はちばてつや(1939~)。「ハリス学園」という学校に入学した石田国松という少年が、抜群の運動神経を生かして野球部、剣道部、ボクシング部、そしてサッカー部で次々と活躍するという話で、1966年から1967年にかけて「週刊少年マガジン」に連載された。テレビアニメでも人気となったが、主人公・石田国松の声を演じたのは、後に「ドラえもん」となる大山のぶ代であった。

 サッカー部では、慣れない足でのプレーに苦労するが、最終的には全国優勝を果たす。そして、それを最後にアメリカ留学するという設定で連載は終了する。サッカー部のキャプテンが「サハーラ東郷」という日本と海外にルーツを持つ少年だったところに、「サッカーの国際性」を感じ取った作者・ちばてつやの視野の広さを感じさせる。

(2)へ続く
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