■決定後の「非常に意外な発表」
ベレーザは5月4日の第20節でI神戸に完敗を喫して、勝点で追いつかれてしまった。そして、もし同日に行われた試合で浦和Lが勝利していたら、勝点で浦和Lが上回っていたはずなのだが、浦和Lはアルビレックス新潟レディースとの試合に敗れて優勝争いで大きく一歩後退してしまったのだ。
一方のI神戸はクラシエカップ(=リーグカップ)で優勝したが、このため、2024年12月にはリーグ戦とクラシエカップ、皇后杯と3つを並行して戦うことになり、この時期に調子を崩してしまった。
もちろん、それがいささかでも優勝の価値を下げるものではないが、こうしたライバルたちのつまづきや失速によるものだったのも事実だ。若手中心のベレーザが好不調の波を最小限に押さえて長丁場を乗り切ったことは高く評価すべきだが。
ただ、やはりライバルに勝てなかったという事実は、来シーズンに向けての大きな課題となるのだろう。
さて、5月17日の最終戦で優勝を決めてから、24時間も経たない18日の昼過ぎに、ベレーザから松田岳夫監督の退任というお知らせがメールで届いた。優勝決定後には、今後の課題などについても語っていただけに、非常に意外な発表だった。
上にも述べたように、優勝したと言っても薄氷の勝利だった。また、シーズンオフの間には海外クラブに移籍する選手も現われるかもしれない。そんな中で、新監督は松田監督の跡を継いで、若い選手を多く起用しながら個の成長を促し、同時にチーム力のアップも図っていかなくてはならない。
いずれにしても、それぞれチームのスタイルに特徴のある上位3チームのライバル関係は面白いし、アルビレックス新潟レディースやサンフレッチェ広島レジーナなどもチーム力を上げている。
ベレーザと浦和Lは、ともに新監督の下での指導になるが、どのようなチーム作りに進んでいくのか注目したい。