■終盤に2列目にポジション移動の信頼

 真瀬は右サイドバックで先発したが、郷家友太が途中交代で下がった後半34分から2列目へとポジションを移した。強度の高いこの試合でサイドバックを務めていた中で、終盤になっての2列目の起用の意図を森山佳郎監督は「疲れた郷家より真瀬の走力」と説明。今季、ここまで2列目の起用も目立つようになっている真瀬への信頼を見せるかのように、1列押し上げた。
 真瀬自身、体力はきつい状態にあったようだが、「今日はこういう試合だったので、もうやるしかないって本当に強い気持ちでやれた」と語るように、前への意識を見せた。
 一方で、真瀬自身が続けて口にしたのは反省だ。最後まで戦えたことを手応えとしながらも、「点に絡めればなお良かったので、そこは課題として持ち帰りたい」と言うのである。
 しかし、それこそがこのチームに今、求められるものでもある。郷家友太を中心として攻め込むスタイルは仙台の大きな武器だが、この試合のようにそれで点数が取れない場合、違う戦い方ができれば勝利への可能性は高まる。
 この試合で名願斗哉がベンチにいたように、ドリブラーをそのまま途中出場させる方法もあるが、いる選手が複数のポジションをこなせればチームとしての戦術的柔軟力が上がる。真瀬自身、大宮戦後に「仙台にはサイドバックのいい選手が多いので、自分が1つ前で相手にとって嫌な動きとか、脅威になるようなプレーができるようにと考えながらプレーしている」と話しているように、石尾陸登高田椋汰らも控えているからこそ、真瀬が2列目で結果を残すことができれば、今後のJ1昇格争いにおいてチームの追い風になる。

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