■「1勝1分4敗」の落とし穴
このように、双方ともにプラス要素はある一方、見落としてはいけないのがネガティブ要素だ。今回、そのマイナス要素が鹿島にあるとみる。
Jリーグでは今年、THE国立DAYと銘打って、国立競技場をリーグ戦で多く活用している。そのひとつが今回の鹿島と川崎の対戦なのだが、ここに落とし穴があるのだ。
今年に入り、J1だけですでに6試合が国立競技場で行われている。そのうち、ホームゲームとして戦ったチームの戦績は、1勝1分4敗。勝点を挙げたのは1勝1敗のFC東京だけで、その他のチームはホームゲームの恩恵に浴することができなかった。また、J2でも国立競技場が使用されており、5月6日のJ2第14節では首位を独走するジェフユナイテッド千葉が2位のRB大宮アルディージャを迎え撃ち、白星を献上することになった。
ホームゲームというのは、やはりホームスタジアムで戦ってこそ意味がある。本当に多くの要素が絡み合う好カードだけに、最後はディテールが勝敗を分け、川崎が笑顔を取り戻すと予想する。
横浜F・マリノスもACLEからの復帰戦を戦うが、こちらは川崎とは状況が違う。監督解任直後に乗り込んだサウジアラビアで完敗。パトリック・キスノーボ新監督が就任したが、コーチからの昇格であり、大きな変化は望みにくい。
試合間隔は空いて体力は回復したかもしれないが、この場合においては試合勘の欠如と積み上げの薄さのほうが気にかかる。相手云々ではなく、自チームを取り巻く状況から、勝点積み上げは期待できない。
後編では注意が必要な上位と降格圏内チームの対戦などを取り上げる。