■ピッチ上で最適解を見出すスピード
チームのバリエーションを広げるという意味では、メンバー変更のみならず、既存戦力の中で臨機応変な対応やポジションの入れ替えもより推し進めていく必要があるだろう。それは松尾も語っていたことだ。
「中央のスペースを監視されてましたし、僕たちもどこが空いてるのかチームとして共有できていなかった。サイドにランニングに特徴のある選手がいなかったので、だったら僕が行ったらよかったなと思いました。
途中で監督からサヴィオとポジションを変えるようには言われましたけど、僕がサイドで幅を取る方が相手は嫌だった。そういう改善点を試合が終わった後、選手何人かで話しましたけど、もう少し共有していけたらいいと思います」
そうやってピッチ上で最適解を見出すスピードを速くしていくことも、幅広い戦いのできるチームに近づくためのポイントだ。ここまでは連戦だったため、練習で意思疎通を図ったり、新たなトライをする時間もなかっただろうが、このタイミングを有効活用し、今一度、ギアを上げていくことが肝要だ。
今季初めて出番なしに終わった原口元気もこのままでいいはずがない。9日に34歳の誕生日を迎えるベテランのベストな起用法を模索することも含め、指揮官には積極的なチャレンジをお願いしたいところ。浦和がさらに上の領域に辿り着けるか否か。今は重要な分岐点に立っていると言っていい。
(取材・文/元川悦子)