■問われるマネージメント力

 今春のACL2の登録問題で雨野祐介強化本部長が辞任し、現在は栗原圭介強化部長の下でチーム強化の立て直しを図っているということだが、ここからの戦力をどうしていくかは、広島にとっては大きな命題だ。J1とACLE、それ以外のカップ戦を並行して戦い、頂点に立つには、やはり2チーム分の潤沢な選手層がないと難しい。その方向性も注視すべき点ではないか。
 さしあたって5月はガンバ大阪東京ヴェルディ、FC東京、川崎フロンターレという難敵が続く。そこに勝ち続けていかなければ、J1トップを走る鹿島に追いつき、追い越すことはできない。直近の湘南戦のように1点を取って守り切る戦いだけでは、連勝街道をひた走っていくのは難しくなる。
 その現実をしっかりと認識したうえで、現有戦力をいかにして最大限有効活用していくのか。今こそミヒャエル・スキッベ監督のマネージメント力が問われる時。特に次戦は確実に復調傾向にあるガンバとの対戦。この壁を乗り越えなければ、明るい未来は訪れない。今は広島にとっての正念場だ。
(取材・文/元川悦子)

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