■長崎は自陣からの前進に苦しみ…
1対0とリードした長崎だが、その後はビルドアップに苦戦する。甲府のハイプレスを受け、プレス回避のキックがタッチを割ってしまう場面が2度続く。自陣から脱出できないまま主導権を握られ、15分にロングスローから失点をしてしまう。セットプレーが得意の甲府に、強みを発揮されてしまった。
その後も自陣からビルドアップを試みるが、横か斜め後方へのショートパスが多く、相手の目線を変えることができない。ボールロストも少なくない状況で、なかなか前進できないのである。
25分にはGK原田岳のキックが右ウイングの増山朝陽へつながり、相手ペナルティエリア内へ侵入することができた。32分には左CB照山から、左インサイドハーフの名倉巧へ縦パスが入る。
甲府は3-4-2-1が基本布陣で、守備時はウイングバックがDFラインと横並びの5バックになることが多い。ボランチの脇のスペースが空くことがあり、この場面では名倉が相手の右シャドーと右ボランチの「間」で照山からパスを引き出し、そのままフィニッシュへつなげた。
このように、相手の守備ブロックの「間」でパスを受ける場面を増やしたいのだが、その回数は限られたまま前半を終えてしまうのである。