【川崎がACLEアル・ナスル戦で勝つために必要なもの(1)】初戦で呼びかけられていた「東地区のチーム」敗退の共通点。Cロナウドら強力布陣相手に指揮官がカギと語る「サポーターの声」の画像
アルサッド戦での川崎フロンターレの長谷部茂利監督 撮影:中地拓也

「東地区のチームは開始直後に失点している。そこは集中しよう!」

 これは、緊迫した試合前に選手に投げかけられた言葉だ。セントラル方式で開催されているACLEファイナルズの4試合ある準々決勝の最後の試合で、川崎フロンターレがアルサッドに挑んだ一戦。すでに東地区の3チームが敗退している中で、監督・コーチ陣が呼びかけたのは立ち上がりだった。

 光州(韓国)はアル・ヒラル相手に前半6分に、ブリーラム・ユナイテッド(タイ)はアル・アハリに前半4分に、そして横浜F・マリノスは前半27分にそれぞれ先制点を献上していた。アジアは広く、東地区と西地区では気候も文化もまったく異なる。蒸し暑く、そして、お祭り騒ぎとなっているサウジアラビアのスタジアムで、アジア東地区の3クラブは雰囲気に飲み込まれたかのように早い時間帯に失点していた。川崎は、敗退した3チームの立ち上がりの共通点に警戒をしていた。
 川崎が対戦したのは西地区で唯一サウジアラビア以外の国から参戦しているアルサッド(カタール)で、観客数はここまでで最少の2873人。しかも、日本から多くのサポーターが駆け付けてフロンターレのために大きな声を発していた。佐々木旭が「もう川崎なんじゃないかって思うぐらい声援が聞こえてました」と話すほどの声援がプリンス・アブドゥッラー・アルファイサル・スタジアムを制圧。選手としては、その声を頼りに苦しい時間も耐え抜くことができた。
 山田新も、「自分が決めてない中ですごく背中を押してくれた。すごく声が届いていましたし、やらなきゃいけないという思いにしてくれた。今日は結果が出なかったですけど、サポーターの思いがすごく届いて、それを力に結果に変えないといけないと思いました」とその効果を言葉にしている。

  1. 1
  2. 2