長谷部茂利監督が「サポーターの戦いもある」

 次戦の対戦相手はキング・アブドゥッラー・スポーツシティ・スタジアムで迎えるアル・ナスル。クリスティアーノ・ロナウドら個で際立つ選手を擁するスター軍団だ。当然、サウジアラビア国内のチームということで空気感は準々決勝以上にアウェイ感が強くなる。
 横浜F・マリノスとの試合では、会場こそプリンススタジアムだったがコレオを披露するなど、さまざまな面で中立開催とは思えぬ雰囲気を作り出していた。
 現地時間の4月28日に長谷部茂利監督に話を聞くと、指揮官自ら「地元の応援によってスタジアムの雰囲気は歓声が“うわーっ”と沸き起こるというか、ホームにはものすごくいい環境だと思うんです、お祭りというか、その後押しが」と、地元アル・ナスルの“ホームアドバンテージ”を警戒する。
 そのうえで、「昨日(=アルサッド戦)も我々を後押ししてくれているゴール裏のフロンターレのサポーターも、それに負けず劣らずなので、そこの戦いもあると思います。人数では勝てないと思いますが、声の大きさや質ではピッチと同じようにいい勝負に持っていきたいし、ピッチもいい勝負に持っていきたい」と、サポーターの声がカギになるとした。

■「この競技で非常に大事になるのは……」
 現地時間の4月29日の公式会見で改めて試合のカギになる点を長谷部茂利監督に聞くと、「この競技において非常に大事になるのがゲームの流れです」と話し、以下のように続ける。
「時に先制点やボールを握っているか握っていないか、中断したあとのプレスキックやセットプレーなど、多岐に渡りますけれども、ゲームの流れを自分たちに少しでも持ってくる、多くの観客が来るみたいですけれどもスアジアムに飲まれない、そういうことが大事だと思います」
 東地区と西地区については、「特別な思いはあまりない」としながらも、立地ゆえの空気感から流れを持って行かれることを警戒する長谷部監督。サポーターの声が「いてつくはどう」となってスタジアムのホーム感を消し去ることで、“勇者”をファイナリストへと導くはずだ――。
(取材・文/中地拓也)
【後編に続く】

(2)へ続く
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