U-17以前にU-20でも発症していた「2点目が取れない病」、アジアで消えないために必要なのは「安全第一ではない」メンタリティ【アジアで大苦戦「若きサッカー日本代表」の大問題】(2)の画像
U-20アジアカップで日本が初優勝したのは2016年。現A代表の堂安律(中央)、冨安健洋、小川航基らが出場した。撮影/原悦生(Sony α1使用)

 サッカーU-17日本代表が、年代別ワールドカップの出場権を手に入れた。だが、手放しで喜べることではないと、サッカージャーナリスト後藤健生は言う。A代表以外、年代別の日本代表がアジアで苦戦しているのには、若い世代の日本代表に共通する、ある「問題」があるという!

■「ダブって見えた」戦い方

「2点目が取れない病」は、準々決勝でも続き、やはり10分たたないうちにPKで先制点を奪ったものの、相手のスピードについていけずに2失点。

 相手のスピードに慣れた後半はボールを握り続け、攻撃を繰り返したものの、抜け出した浅田大翔の巧みなシュートで同点とするのが精一杯だった。

 どうして、あれだけの選手がそろって、あれだけボールを握っていながら「2点目」が取れないのだろうか?

 もちろん、サッカーというのは得点が入りにくい競技である。どんなに合理的に攻撃を組み立てて、正確にプレーしても、運が悪かったり、相手GKが当たっていれば得点できないということはよくあることだ。

 だが、今回のU-17日本代表の場合は、「結果として得点できなかった」というよりも、チャンスの回数が少なすぎたのが原因だったように感じる。

「選手の質は高いのに、戦い方がつたなく、せっかくのポゼッションを得点につなげられない」。

 そんな配信映像を見ながら、僕は既視感に襲われていた。

 2月に中国の深センで行われたU-20アジアカップでの日本チームの戦い方とダブって見えたのだ。U-20の大会は、僕も現地に赴いて観戦したので、そんなもどかしさを体感していた。それだけに、映像を見ながら、そのときの記憶が鮮明に蘇ってきたのだ。

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