■小さな年代物で「古き良き時代」満喫
地下鉄1号線のロット駅で下りて、競馬場を横に見ながら歩く方法もありました。かなりの距離を歩きますが、このほうが時間が読めるのでメインルートだったと思います。
また、最近は地下鉄5号線で終着サンシーロ・スタディオ駅まで行くことができるようになりましたから、便利さから言ったら地下鉄一択でしょうが、やはりトラムの16番も捨てがたいものがあるような気がします。
トラムが似合う街としては、ポルトガルのリスボンも忘れてはいけません。
スペインから流れてくるテージョ川が大西洋に注ぐ河口部に位置するリスボンの下町は、坂の街です。川に面するベレンは平地ですが、すぐに裏まで丘が迫っています。その斜面を縦横に細い道路が入り組んで、迷路のようになっているのです。
その細い道路を、小さな年代物のトラムがコトコトと登ってくるのです。そして、突然、見晴らしの良い高台に出たかと思うと、また民家の中を進んでいきます。家々のどこかからイワシを焼く煙でも漂ってくれば、まさにポルトガル気分は全開。どこか物悲しい雰囲気の古き良き時代のリスボンを満喫できます。