■「何か一つってわけじゃなく」
だからこそ、当時、酒井から教えてもらったことで一番大きなことは何だったのか尋ねてみても、「何か一つってわけじゃなくて」としたうえで、「トレーニングの前の準備の仕方とか、トレーニング後に何をするべきかとか、トレーニングに向けてどういうメンタルでやるべきかとか、2年半ぐらいずっと一緒にいたんで、毎日いろいろ教わってました」と語る。
リスペクトしているのは試合に関わる部分だけでない。「めちゃくちゃサッカーのことを考えてるし、日本サッカーをもっとよくしたいって考えてて」と話し、「尊敬しています」と口にする。
そんな先輩にどんなプレーを見せたいか。そう質問すると、「川崎と神戸の試合なので、僕と高徳君の試合ではないのでチームとして勝てたらいい」とそこは勝負事として切り替えており、チームを3試合連続引き分けから白星へと導く構えだ。
その伊藤は、過密日程が続くJリーグの中で新たな試合の入り方についても挑戦している――。
(取材・文/中地拓也)
(後編へつづく)