
「私の感想としては怪我人が出て残念で、勝てなくて残念。この二つに尽きます。ボールにプレーした中での怪我だとは思いますが、連戦を控えている中で大きな怪我にならなければいいなと考えています」
町田ゼルビアとのJ1リーグ第9節後、記者会見室の椅子に座った長谷部茂利監督は、試合の総評を求められて憮然とした表情で短く言葉にした。2人の怪我人が出たことへの悔しさが、まずは何よりも大きいと感じさせるものだった。
一方で、交代策については「難しくはなかった」としている。3回使える交代回数のうちの2回を前半のうちに使ったことで、采配にも影響が出たと思われるが、「怪我をしたら交代するのは当たり前です。怪我をして立てるか立てないかの状況で、それぐらいの怪我でしたら交代せざるを得ないですよね」とその理由を話す。
橘田健人もジェジエウも、それぞれの思いがある。それぞれ今月末に始まるACLEを控えている立場。
橘田としてはキャプテンを務めた2023年に苦しみながらも獲得した天皇杯のタイトルが、この大舞台につながっている。このタイミングでの負傷はそれを脅かす可能性がある。
ジェジエウはここまで長期離脱が続いていた。やっと復帰できた中で迎えた初先発で、またも負傷してしまったのだ。
2人の詳しい状態は分かっておらず、軽傷を願うばかり。一方で、チームとしてはこうしたアクシデントを乗り越えて今後、連戦を戦いつつ、そうした不測の事態が起きたときにも勝利を掴んでいく術を身につけていかなくてはいかない。アジア青覇やリーグ奪還という夢を、アクシデントや理不尽に潰されてはいけないのだ。