「日本に7-0大敗」かつてのライバルが復活の狼煙、中国サッカーの「根本的な問題」と率いる「元日本代表」【U20アジアカップが示す「サッカー日本代表」とアジア、世界との距離】(3)の画像
W杯アジア最終予選では、日本が中国を圧倒。三笘薫(写真中央)も大活躍し、7-0の歴史的大勝となった。一方、U20アジアカップでは、開催国の中国に復活の兆しが…。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 サッカーU-20日本代表は、U20アジアカップで戦い、年代別ワールドカップへの出場権を手にした。だが、表面上の結果だけではなく、この大会ではさまざまな「変化」があった。現地に飛んだサッカージャーナリスト後藤健生が、サッカー日本代表とアジア、そして世界の「距離」の変化について指摘する。

■注目すべき「開催国」の変化

 ところで、今大会で最も注目すべきチームは開催国の中国だった。

 優勝したオーストラリアはグループリーグで中国に2対1で勝利しているが、前半の早い時間に2点を先制したオーストラリアに対して中国はすぐに1点を返し、その後は試合終了まで猛攻をかけ続けていたのだ。

 ワールドカップ出場権をかけたサウジアラビアとの準々決勝でも、中国は完全にゲームを支配して多くのチャンスを作った。後半にはPKも獲得したものの、李誠宇のキックがGKに止められ、どうしても得点できず、90+5分にアルユハイビに決勝ゴールを奪われてまさかの敗退となった。

 中国はかつて多額の資金を投資して、ヨーロッパや南米のワールドクラスの選手を獲得。強化が進むかと思われたが、その後、中国代表は弱体化し、昨年は日本に0対7という屈辱的大敗を喫してしまった。

 さらに、各クラブのバックについていた不動産企業の経営が悪化すると、クラブも弱体化。アジア・チャンピオンズリーグで2度の優勝を誇った広州恒大は、恒大グループが経営破綻したため、2部(甲級リーグ)に陥落。今年1月には、ついに解散を発表した。

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